区民の健康セミナー
年5回区民を対象に医師会員による三次予防の視点で実施する講演会を行っております
場所:大阪市立生野区老人福祉センター
対象:大阪市内在住60歳以上の方(センター利用証お持ちの方)

令和6年度
開催されましたセミナーの要約を
掲載しておりますので、ご覧ください。
令和7年1月22日
★テーマ:高齢者のめまい原因は?治療と予防
講 師:医療法人穂翔会 村田病院 伊藤 昌広
要 約:
「めまい」は回転性めまい(vertigo)と「ふらつき」の非回転性めまい(dizziness)があります。回転性めまいは周囲が回って見えたり、右から左に動いて見える錯視体験で身体の平衡(バランス)を保てなくなる状態のことを指します。「ふらつき」は体が左右前後に揺れを感じる視覚運動体験です。三半規管、耳石器、前庭神経の急性障害によって生じます。また、体のバランスは深部感覚、平衡感覚、視覚の3つの感覚がすべて統合されて維持されており、とくに脳幹と小脳でコントロールされています。
「めまい」は気分不良となり大変苦痛を感じる疾患で多くは耳鼻咽喉科の疾患ですが脳卒中や脳腫瘍などが原因となることがあり、症状があれば頭部CT・MRIの検査を行うことをお勧めします。
令和6年9月25日
★テーマ:QOLを守るための眼科診療と予防
講 師:医療法人真山会 山口眼科 山口 真
要 約:
高い生活の質(QOL:quality of life)を維持するには眼の健康、視機能の質(QOV:quality of vision)が重要です。失明の主な原因疾患である緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性および誰もがなる白内障いずれも早期発見、早期治療で進行を遅らせ、失明を防ぐことができます。これら疾患の特徴と眼科診療の重要性、ご自身で予防するための食事の重要性について解説をさせていただきました。
令和6年7月24日
★テーマ:逆流性食道炎の治療と予防
講 師:医療法人翔徳会 まつばら内科・消化器クリニック 松原 徳周
要 約:
本邦での逆流性食道炎の有病率は10%程度と近年増加傾向にあり、ヘリコバクターピロリ菌感染率の低下も相まって、今後も増加することが推定される。治療薬であるプロトンポンプ阻害薬やボノプラザンは強力な胃酸分泌抑制作用を有し、症状改善に寄与するが、長期内服に伴う合併症も報告されている。症状消失によるQOL改善が最重要目標であり、胸やけ等の症状がある方は積極的に医療機関で上部内視鏡検査を受けていただきたい。